苦いだけ。|アサヒ ザ・ビタリスト

明確に味覚を突き刺すや否や、輪郭だけを残して消え去る苦味がある。それからホップらしい香りがして、しかしそれもすぐに消える。あとにはカーッと喉を灼く炭酸の刺激だけが残る。月並みの表現を借りるなら「グッと来ない」。存在感は確かに在りながら、重みはなく、感触もなく、ただ通り過ぎる光の明滅。言わば「ザ・フラッシュ」。たしかに苦い、しかし苦いだけ。

公式ブランドサイトを見に行くと「爽快な苦味がもたらす、つきぬけるうまさ」と書いてある。ビールのうまさはバランスの良さだと考える私にはピンと来ない。そもそも、スーパードライを「冷やすほど感動的にうまい」と謳うアサヒビールとは端から「うまさ」に対する感覚がズレていて、今回もそれが露見したに過ぎないわけだが。

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