発泡酒は発泡酒。|キリン 淡麗 極上〈生〉

特急列車で家族旅行の浮かれ気分の中、駅の売店で久々に手に取った発泡酒、キリン淡麗。手に取った理由はビールと比べた値段の安さ。そしてその差額は、先にカゴへ入れたビールに続く2本目の言い訳。安いから。ちょっとだけ安いから。ああ!それ以外にこの商品を手に取る理由があったろうか!?いやない!それゆえに私は、この安い発泡酒の味を、あの高いビールと比較してはならない。なのに───。どうせならより美味しいものを!それが私のポリシーではなかったか?そう、私は負けたのだ。私は償う必要さえないちっぽけな罪悪感に負け、たった数十円で己の信念を曲げたのだ。どうだ、喉は潤っても、心が渇いていやしないか。車窓から流れる田園風景を眺める子供達の後ろで独り流す涙。今日私が失ったものは何だ?Be Ambitious 我が友よ冒険者よ。もしも時を戻せるのなら、差額を払うからこれをビールと代えてくれ店員よ。進化を問われる新ジャンルと、真価を問われるビールの狭間で、未だ彷徨える発泡酒という亜種。それを手に取り小銭を払うだけの覚悟が、まだ私には無かったというのか。

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