天下二品への道は遠い│キンレイ 天下一品監修

コンビニパトロールで発見した怪しい商品。2月14日にローソンが発売した「天下一品監修」。妙な商品名だが、ラーメンをラーメンと書けない何らかの事情があるのだろう。同時発売の炒飯のほうにはデカデカと「炒飯」と書いてあるからだ。このレビューを書いている4月2日時点で、なぜかローソンの公式サイトからは跡形もなく消え去っているが、公式Twitterと天下一品のリリースには確かに発売情報が残っている。

レンチンだけで完成する冷凍ラーメン。キンレイといえば冷凍調理麺界の雄だが、正直言って期待はしていない。2年前に某有名メーカーが出したカップ麺、さらにその2年前のポテトチップスで文字通り味わった苦い経験により、天下一品こってり味の再現がいかに難しい事かを私は知っているからだ。しかしそれでも手に取らずに居られない、そんな味の魅力、ブランド力を天下一品のロゴは有している。

スープを啜って第一声「ようやっとる!」。もちろん店で食べるラーメンとは全然違っている。しかし“天下一品風”と言って差し支えない仕上がり。舌に残るザラつきまでをも、予想以上に似せてきた。恐るべしキンレイの企業努力。だがそんな感動は、啜った麺とともに瓦解した。「違う違う、そうじゃ、そうじゃなあ〜い♪」鈴木雅之のあの名曲が、またしても脳裏に流れた。なぜだ。ローソンとキンレイを飛び越えてもはや天下一品に問いたい。なぜ麺は監修してくれなかったのかと。それとも冷凍麺ではここが限界なのか。

だが同時に希望を見出した。このペースで再現技術が進化すれば、50年後くらいには天下一品を“二品”にできるかも知れないと、そしてその頃にはきっとあの世の住人だろうから、今はまだ唯一無二のあのこってりラーメンを、私は明日も食べに行こうと。

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