何を割るかによりけり|ホッピービバレッジ ホッピー330

ビールみたいな味がする微アルコール0.8%の清涼飲料水。焼酎の割り材として売られているが、そのまま飲んでも、焼酎以外の酒を割ってもよいとされる。ビールが高価だった昭和の時代に、焼酎を割ってそれっぽさを味わうべく、東京下町で生まれた飲み物だとか。

学生時分にバイト先の店長に連れて行ってもらった立ち飲み屋で「東京には粋な飲み物があるもんや」と感心したのを覚えている。先日観た“酒場放浪記”でも、吉田類が実に美味しそうにホッピーをすする様子が印象に残っていたこともあり、酒屋で見かけてつい手に取った。

さてホッピーを手に入れたはいいが、何を割って飲もうか。家にある焼酎は赤霧島、白霧島、野うさぎの走り、あとはウイスキーとビール。とりあえず赤霧島を割ってみた。すると、これがとんでもなくまずい。ひと口飲み、ふた口飲んだあと捨ててしまった。赤霧島の良いところが台無しところか、裏目に出てしまった。完全に割る焼酎を間違えた。赤霧島はロックに限る。

ホッピーは何を割るかによって大きく変わるものだと痛感した。どんな酒と合わせれば良いか、お酒のプロに聞く、あるいは任せる方が良さそうだ。75年に及ぶホッピービバレッジの輝かしい歴史と、学生時分のあの感動は若き日の馬鹿舌ゆえでなく、確かな美味しさに基づくものだったのだと信じたい。

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